【男性更年期・不妊治療の最新事情】テストステロンとクロミフェンの効果を徹底解説!
男性にも更年期がある!その正体と治療の選択肢
男性も40代後半から「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」という形で更年期を迎えます。原因は主にテストステロン(男性ホルモン)の減少です。
テストステロンの役割とは?
テストステロンは以下の重要な機能を担っています:
- 筋肉・骨の維持
- 性欲(リビドー)・勃起機能
- 精子の産生
- 気力・集中力・精神の安定
このホルモンが低下すると、うつ症状やED、不妊の原因となるだけでなく、生活習慣病リスクも高まります。
テストステロン補充療法(TRT)|具体的な治療方法と効果
TRTは、テストステロロンの不足を人工的に補う治療法です。
主な投与方法と特徴
| 投与方法 | 例 | 効果持続 | 特徴 | | --- | --- | --- | --- | | 筋肉注射 | エナルモンデポー | 約2〜4週間 | 確実な効果。診療所で管理下投与。 | | 経皮薬(ジェル) | アンドロジェル | 毎日塗布 | 血中濃度が安定しやすい。自宅で可能。 | | パッチ型 | テストステロンパッチ | 毎日貼付 | 徐放性で自然なホルモン変化に近い。 |
効果(実際の臨床研究による報告)
- 性欲の向上(リビドー改善)
- EDの改善(※PDE5阻害薬との併用で相乗効果)
- 抑うつ・不安の軽減
- 筋肉量の増加・骨密度改善
💡 注意点:前立腺がんの既往がある方、高血球増多症、心血管疾患のある方には禁忌。また、生殖能力は一時的に低下する可能性があるため、不妊治療中の男性には慎重な判断が必要です。
クロミフェン療法|精子とテストステロンを同時に改善する選択肢
**クロミフェン(クロミッド)**は、元々は女性の排卵誘発剤ですが、男性に投与することで精子産生や内因性テストステロンの分泌を促す効果があります。
なぜクロミフェンが効くのか?
- 視床下部・下垂体を刺激
- LH(黄体形成ホルモン)・FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌促進
- → 精巣でのテストステロン産生と精子産生が促進
主なメリット
| 項目 | 内容 | | --- | --- | | 精子産生の維持 | TRTと異なり、精子数が減らない or 改善されることが多い | | 内服薬 | 通院回数が少なく、自宅で服用可能 | | 精巣機能が残存していれば有効 | 機能不全でない限り一定の効果あり |
副作用と注意点
- 視覚異常・吐き気・体重増加などまれに発生
- テストステロン値は上昇するが、極端に低い場合は効果が限定的
📌 特に「子どもを望む男性」には第一選択となることもあります。
男性不妊治療との連携:ED治療薬との併用も視野に
TRTやクロミフェン単独では効果が不十分な場合、PDE5阻害薬(バイアグラ・シアリス等)との併用が推奨されるケースもあります。
相乗効果の一例:
- TRTで性欲増加 → PDE5阻害薬の効きが良くなる
- クロミフェンでホルモン正常化 → 精子の質が改善
どちらの治療が合っている?比較と選び方
| 項目 | TRT(補充療法) | クロミフェン | | --- | --- | --- | | 目的 | 性機能の回復 | 精子産生+性機能 | | 生殖希望 | 不要(子供望まない) | 必要(子供が欲しい) | | 投与方法 | 注射/貼付など | 内服(1日1回〜数回) | | 保険適用 | 限定的 | 自由診療が一般的 |
まとめ|症状と将来設計で治療法を選ぼう
男性更年期や不妊に対して、テストステロン補充療法とクロミフェン療法は有効性の高い2大治療法です。
- ✔ 「性欲・やる気がない」→ TRTが有効
- ✔ 「子どもが欲しい」→ クロミフェンが第一選択
- ✔ 「症状が軽い」→ 漢方や生活習慣改善も併用可能
症状がある場合は、泌尿器科・男性更年期専門医への相談をおすすめします。
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