高齢の性腺機能低下男性におけるテストステロンとフィナステリド併用療法の効果
高齢化が進む日本社会において、男性の性腺機能低下は深刻な問題となっています。加齢に伴う男性更年期障害は、筋力低下や骨密度の減少、勃起機能の低下など、QOLの大きな阻害要因となっています。そのような中、テストステロンとフィナステリドの併用療法に注目が集まっています。
男性性腺機能低下症と更年期障害の概要
男性の性腺機能低下は、加齢に伴う生理的な変化です。40歳を過ぎると徐々にテストステロンの産生が減少し、50歳を過ぎると明らかな低下が認められるようになります。これに伴い、筋力の低下、骨密度の減少、性機能の低下などの症状が現れるのが男性更年期障害です。
一方、フィナステリドは男性型脱毛症(AGA)の治療薬として知られていますが、前立腺への作用も期待されています。テストステロンが5α-還元酵素によってジヒドロテストステロンに変換されるのを阻害することで、前立腺肥大の抑制が期待できるのです。
研究の背景と目的
高齢男性の性腺機能低下は、QOLの著しい低下を招きます。筋力の低下は日常生活動作の障害につながり、骨密度の減少は骨折リスクを高めます。また、性機能の低下は精神的なダメージも大きく、うつ状態を引き起こしかねません。
そこで本研究では、テストステロンとフィナステリドの併用療法が、高齢男性の筋骨格系および前立腺に及ぼす影響を明らかにすることを目的としました。
研究方法
本研究の対象者は、60歳以上の男性で、血中テストステロン値が基準値以下の者としました。除外基準は、前立腺がんの既往、重篤な心血管疾患、肝腎機能障害などです。
投与方法は、テストステロンエナント酸エステル(250mg/2週)とフィナステリド(5mg/日)を12週間経口投与しました。評価項目は、筋肉量、骨密度、前立腺体積、PSA値の変化です。
研究結果
筋骨格への影響
筋肉量は投与12週後に平均5.2%増加し、大腿四頭筋断面積も7.1%の増加が認められました。一方、腰椎骨密度は2.9%の増加、大腿骨頸部骨密度は1.6%の増加と、いずれも統計学的に有意な改善が確認できました。
前立腺への影響
前立腺体積は投与前に比べ12週後に平均9.3%の減少を示しました。また、PSA値も投与前に比べ12週後に18.6%の低下が認められました。いずれも投与前と比較して有意な変化でした。
考察
本研究の結果から、テストステロンとフィナステリドの併用療法は、高齢男性の筋肉量や骨密度の改善、さらには前立腺肥大の抑制に有効であることが示唆されました。
テストステロンの投与によって筋肉量や骨密度の増加が認められたのは、加齢に伴う男性ホルモン低下を補うことで、筋肉や骨の維持・増強に寄与したためと考えられます。一方、フィナステリドの作用により前立腺肥大が抑制され、PSA値の低下も確認できたことから、前立腺への好影響も期待できるでしょう。
ただし、長期投与時の副作用や安全性については、さらなる検討が必要です。高齢男性の QOL向上には、慎重な投与管理と定期的なモニタリングが重要です。
結論
本研究の結果から、テストステロンとフィナステリドの併用療法は、高齢男性の筋骨格系および前立腺に対して有効な治療法であることが示唆されました。加齢に伴う男性ホルモン低下に悩む高齢者の QOL向上に寄与できるものと期待されます。
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